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COLUMN

フルマラソンを完走するためには何から始めたらいい?

UPDATE2016.07.11
TEXT BY

陣内 愼治

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※ 写真:福岡マラソン公式facebookより

こんにちわ。
ココカラコミュニケーションズの陣内です。

先日、福岡マラソンの「福岡・糸島市民枠」の抽選結果が発表されましたね。
エントリーされていたみなさんの結果はいかがでしたか?

当選された方はおめでとうございます!
倍率は、私の周りの方々の結果を見ると感覚的に3〜4人に1人くらいでしょうか…!?
残念ながら落選された方も、これからまだ他にもエントリーできる大会がたくさんありますし、福岡マラソンは来年も開催されますので、ぜひ他の大会で経験を積んで、また来年再挑戦していただきたいと思います。

さて、今回の抽選で本人の意志とは関係なく(?)当選してしまって、やや焦ってる方もいらっしゃるかと思いますが(笑)
抽選で選ばれたことはラッキーなことですので、入金を済ませて、さっそく本番に向けて練習を始めていただきたいと思います。
とはいえ、今回の福岡マラソンで「初めてフルマラソンを走る」という方や、中には「当選したものの、何から始めたらいいか分からない…」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

「初心者ランナーにやさしいシューズを選ぶ」
「モチベーションをあげるために、まずオシャレなランウェアから!」
といったツールの紹介は、福岡マラソンの公式サイトにも記載がありますのでそちらに譲るとして、今回のこのコラムでは、福岡マラソンを完走するために、「今からどんな練習から始めたらいいのか?」をテーマにお伝えしたいと思います。

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※ 写真:福岡マラソン公式facebookより

今回、福岡マラソンで初めてフルマラソンを走ることになった方にとって、「フルマラソン」とはどんなイメージがありますか?

「42.195kmとかきつそう!」「最後まで完走できるか心配…」「ゴールできた達成感はハンパないんじゃ!?」など人によっていろんなイメージがあるかと思います。

では、実際に「フルマラソン」とはどんなスポーツなんでしょう?

みなさんご存じのように「42.195kmを走るスポーツ」ですよね。
うん、確かに間違いではありません。

でも、フルマラソンを初めて走る方が意外と気づいていない、もう一つのとっても大切な「ポイント」があります。
それは…フルマラソンとは「長い時間継続して身体を動かし続けるスポーツ」だということ。

どうしても、TVで見たことのある「競技としてのマラソン」を想像するので、「2〜3時間走るスポーツ」というイメージがあるかもしれませんし、もちろんトップランナーたちは、2時間半〜3時間でゴールします。
しかし、福岡マラソンを走るランナーの半数以上の完走タイムは5〜7時間。

つまり、私たちのような市民ランナーにとってのフルマラソンとは「42.195kmを走るスポーツ」であり、かつ「5〜7時間、継続して身体を動かし続けるスポーツ」でもあるんです。

どうしても「早く走らなきゃ!」というイメージがあるので、突然思い立って走り始めたり、若い(高校生や大学生の)頃のイメージのまま走ったりしてしまうと、思っていたようには身体はいうことを聞いてくれず、すぐに息があがって苦しくなったり、足腰のどこかが痛んだりしてしまうのがオチ。
運動を怠っていた期間が長ければ長いほど、数十分も続けることができずに歩いたり、走るのを止めてしまうのが「初心者ランナーあるある」なんですね(^_^;)

「42.195kmを走るスポーツ」だから「走る練習を!」という「はやる気持ち」も分かりますが、それよりも初心者ランナーにとって大事なことは「長い時間継続して動ける体力」をつけられるかどうか。

なので、「5〜10kmをいかに早いタイムで走れるか」を意識してタイムを競って練習するよりも、途中で休憩を挟みながらでも「いかに長い時間身体を動かし続けられるか」を意識して練習をした方が、結果的にゴールのタイムが早かったり、「完走できる確率」もぐんと上がります。

実際にフルマラソンを走ってみると分かりますが、30km(スタートから3〜4時間)を過ぎたあたりで足をひきずりながら歩いている、まるで「リアルなゾンビ」のような人たちが大勢います(笑)
ちなみに、そのほとんどが、スタート時から快調に飛ばしていた人(かつほとんどが男性)だったりします(^_^;)

この「30km過ぎで足をひきずって歩いている人たち」は、たいてい5〜10kmのタイムを意識して早く走る練習をしてきた人たち。
(もちろん、練習らしい練習もせず、ほぼぶっつけ本番で参加した人の多くもここに入りますが…)
なぜなら、「このペースで20km、30kmと走れるはず」と思って練習してしまったために、フルマラソンのもう一つの大切なポイントである「長い時間継続して動ける体力」がついていないかったから。
つまり、長時間身体を動かすことに慣れていないので、2〜3時間も続けて走ると、それ以上は自分が思ったように身体が動かなくなってしまうんです。

みなさんは、普段からどれくらい「続けて身体を動かしている」でしょうか?
私たちが暮らす福岡市内は、交通網が発達し、自分の足を使わなくても電車やバス、自家用車や自転車でたいていどこでも移動できるので、長時間身体を動かす機会も必要もありません。
かつ、仕事もデスクワークが増え、動いているより座っている時間の方が多いため、普段から意識して身体を動かす習慣がないと、1〜2時間でも続けて運動できる体力がありません。というか、「1〜2時間続けて運動する体力」を持っておく必要がないライフスタイルになってしまっているんですね。

ところが、フルマラソンはそんなライフスタイルとは真逆で、42.195kmという長い距離を「長い時間継続して身体を動かし続けるスポーツ」なので、「5〜10kmをいかに早いタイムで走れるか」を意識して練習したところで、このもう一つの「長い時間継続して動ける体力」がないため、結果的にスタートからゴールまでを安定して走り続けることができないんです(>_<)

今回の福岡マラソンが「初めてのフルマラソン」という方の多くは、きっと「無事に完走すること」が目標だと思いますので、オシャレなウェアを買って、専用のシューズも購入して準備ができたら、通勤時でも買い物の時でもいいので、まずはこれまでより少しでも多く『自分の足で歩く時間を増やす』こと。
さらに、その目的は「11月13日の福岡マラソンで7時間以内にゴールすること」なので、普段の散歩や散策よりは少しだけペースをあげて歩きましょう。

ご自分がどのくらいのペースで歩いているかが分からない方も多いかと思いますが、最近はスマホのアプリでも移動した距離や
ペースを測ることができますし、このeffectのランアドレスでも紹介されていた大濠公園など、距離が表示されている公園などを活用して、ご自分の歩くペースを確認してみてください。その目安は、息があがるかあがらないかの「ちょうど間」。
個人差はありますが、だいたい1km13〜15分くらい。大濠公園を例にとると、1周が約2kmなので1周するのに26〜30分、つまり「1時間で2周」することができるくらいのペースから始めましょう。

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これまで運動していない期間の長さにもよりますが、最初のうちは30分以上歩いただけで息があがったり、歩けたとしても膝や足首が痛くなったり、筋肉痛が出たりする方もいらっしゃるかもしれません。
でもそれは、残念ながらこれまで運動を怠っていたあなたの身体が、30分すら歩き続けられないくらい体力が落ちている、という証拠。「1時間も歩けない〜」と思われるかもしれませんが…本番はこの約5〜7倍の時間を走りますからね(笑)

「そんな1時間も歩けない〜」と思った方もいらっしゃるかと思いますが、人間の身体は本当に良くできていて、たとえ「毎日でなくても」、15分、30分、1時間とこれまで歩いていた時間より多く歩くことを意識していれば、自分の足で歩いた「通算時間」に比例して、1ヶ月間もすると自然と苦痛なく歩ける身体に自然と変わっていきます。
1時間でも続けて歩けるようになれば、30分くらい続けて走るのはなんてことなくなるので、それから本格的に走る練習を始めても本番までには十分間に合います。

その時に一つ注意点ですが、もちろん自分の足で歩いた「通算時間」ですから、日数が多いに越したことはありません。
しかし、これまで運動らしい運動をしてきていなかったのに、急に「毎日運動しよう!」と心に決めても、身体はそんなに急についていきませんし、これまでの生活習慣を大きく変えようとすると、どこかにしわ寄せがきて、続くものも続かなくなる可能性が高くなります。上記でも触れたように、たとえ「毎日でなくても」自然と苦痛なく歩ける身体に自然と変わっていきますので「毎日でなくても大丈夫」です。
通勤時や買い物の時など、無理せず時間がつくれるときに15分、30分、1時間と今までより多く歩くことを意識するだけでOK。身体はそんなに急に変わりませんが、続けていれば必ず変わります。

ちなみに、短い距離を早く走れるようになっても、長い距離を走り続けることはできませんが、長い距離を一定のペースで走れるようになった人は、後から徐々に早く走れるようになることが可能です。

今年の福岡マラソンが初フルマラソンで、「ここ最近運動らしい運動をしていない…」「体力に自信がないし…」という方も、「長時間動ける体力をつけること」を意識して、まずはこれまでより少しずつ『自分の足で歩く時間を増やす』ことから始めてみてください。

あなたが自分の足で歩いた時間の分だけ、あなたの身体はその努力にちゃんと応えてくれますよ!

次回は、そろそろ梅雨も明けて暑い日々が続いている頃なので、「暑い日の練習法」についてお伝えしたいと思います。

お楽しみに!

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