・走る前のストレッチ・ケアについて
・走った後のストレッチ・ケアについて
・足がつりそうになった時は
・マラソンの時にはやらないほうが良いこと
・ストレッチをやる・やらないの違い
・シューズについて
・まとめ

前田 誠(まえだ まこと)さん
楽歩堂 ラン&ウォーク 博多阪急店 百貨店事業部 部長
FHA 足と靴と健康協議会 バチェラー(上級)シューフィッター・同 実技指導員
JNFAノルディックウォーキング インストラクター/JRTAランニングインストラクター
前田さん(以下敬称略):季節にもよりますが、少し動くだけでも細かい筋肉は伸びるので、ジョグだけでも十分ストレッチになります。いろいろ伸ばす前にまずはジョグ。スピードは遅くていいので、走力に合わせてやることが大事です。(キロ8〜9分ペースでOK!)練習・本番前に疲れたくはないでしょうから、だいたい1キロ前後くらいの距離をジョグして体を慣らしていくのが良いと思います。ジョグで心拍数を上げるのがポイントで、そうすることでいざスタートしたときの急激な心拍数の上昇を防げます。急に心拍数が上がると息切れしちゃう。すると無酸素運動になるので乳酸が溜まりやすくなって、足が動かなくなります。本番前も練習前もまずはジョグをやったほうがいいですね。
前田:あと、実際ストレッチをやる上で大事なポイントは「①足首」「②骨盤」「③肩甲骨」の3つ。この3つを意識して重点的にやることが大事です。中でも「足首」は重要ですので、足を振ったり足首を回したりしましょう。本番前だと場所も無いしなかなか大変なので、軽く振るだけでもOK。念入りにほぐすのは日々のセルフメンテナンスでやっておきましょう。
次に「骨盤」。股関節周りですね。股関節を開いて可動域を広げたり、腸腰筋といわれる股関節から脊柱(腰椎)に繋がっている筋肉があるので、そこをしっかり伸ばすっていうのが大事。

ストレッチは1回20〜30秒くらいを目安に!
前田:こうすることで繋がっている筋肉が伸びるんですね。アキレス腱を伸ばしているわけではないので、しっかり深く腰を落として伸ばします。

前田:あとは「肩甲骨」。前鋸筋と言われる脇腹(肋骨側面)の筋肉を伸ばしたほうが良い。胸の前から脇に手を入れて周辺の筋肉をもみほぐします。ほぐしたあとに前鋸筋を握った状態で肩甲骨をぐるっと後ろから回す。(10〜30回)この辺をほぐすことで肩の動きがよくなるので、これは走る前にやったほうが良いですね。
前田:ストレッチは筋肉を緩めた状態で行うのがコツです。立った状況だと固くなりやすいので、座るか寝てやると緩めやすいです。緩むし固くもなるのがいい筋肉。柔軟性がないと周辺の筋肉が頑張っちゃって疲労しやすくなります。特に腹筋とか大腿四頭筋は固くなりやすいので要注意!走る前はもちろん、走っている最中にストレッチをするも効果的。走っているとどんどん筋肉が硬くなってくるので、しんどいなって場合はしっかり伸ばすと良い。大きな筋肉をいかに固めないかが重要です。
前田:あと膝を痛めない対策としては仰向けに寝た状態で両膝を立てて左右に倒す。これも簡単に股関節、腸脛靭帯をしっかり伸ばせるストレッチです。
それと腹直筋(横隔膜)のストレッチ。一番下の肋骨を握るようなイメージでマッサージしましょう。そうすることで横隔膜に柔軟性が出て姿勢が良くなります。そうするとフォーム維持に繋がるし、呼吸もしやすくなります。
前田:基本的に気になるところのストレッチングとアイシングがベースですが、それだけじゃ回復が追いつかない。いかに早く栄養分を注入できるかが鍵です。走った後の筋肉は筋硬直が起こって一気に動かなくなる。アイシングはすごく効果的ですが、筋肉の破壊を緩め、早く回復させるためにいわゆるアミノ酸系のBCAAだったり、吸収の良いものを体内に入れつつエネルギーをプラスで入れていくのが良いです。エネルギーを入れないとアミノ酸やタンパク質などがエネルギーで持っていかれて回復が後回しになってしまうので、アミノ酸とエネルギーは先に摂取して、そのあとにタンパク質の順がいいですね。入れる入れないじゃ翌日が全く違います。あと、本当なら走った直後に水風呂に入ってほしいくらい冷やすことは大事です。マラソンレベルで筋肉をいじめちゃうとそれだけ炎症を起こしていますので。気になるところのストレッチをしつつ、何はともあれ冷やす!そしていかに早く回復につながる栄養素を体内に入れられるかが鍵!です。

前田:足がつるということはミネラルが飛んでいっちゃってる状況。部分的なオーバーワークになります。ある筋肉が硬直しちゃうと残った筋肉が頑張って、そこの負荷がどんどん大きくなっちゃう。負荷が大きいところから順につってきます。オーバーワークとミネラル不足が原因と考えられますので、つるかも!?と思ったらミネラルを摂取する。あとオーバーペースになると乳酸が溜まってつる状態になってしまうので、乳酸をためすぎないのも大事です。
前田:固くなった筋肉をほぐしたいところではあるので、多少揉んで循環させるのは良いと思います。でも何はともあれミネラル吸収を急いだほうが良いです。体内に筋肉を動かす成分が足りていないということなので、ミネラルを摂取しないことにはどうにもならないです。その他補給のポイントは水分、ミネラル、エネルギー、アミノ酸の4つ。どれか一つでもとぎれると体が動かなくなるので適材適所でバランス良く摂取することがパフォーマンスを維持するためには大事です。またきちんと吸収できる体にしておくことが大事なので、前日飲みすぎて肝臓の調子がちょっと…とかになってしまうと効果が出ない。日頃から吸収できる体作りが大事なので、体調と食事には気をつけましょう。
前田:走る前はストレッチをしすぎるのも良くない。緩めすぎると筋肉の反発力を失ってしまいますので、スピードを出しにくくなったり関節の捻れを逆に誘発する恐れがあります。走り終わった後のストレッチは入念にしたほうが良いのですが、基本的には走る直前では無く日頃からトレーニングと合わせてストレッチの時間も習慣化して筋肉の柔軟性を上げておくことが大切です。
前田:ストレッチは必要で、いかに筋肉のスイッチをONにできるかということに繋がります。OFFの状態で走りすぎると痛めてしまう。その筋肉スイッチが足にあります。全身の筋肉の基礎が足にあって、それをONにしないと動くところと動かないところの差が出ちゃう。筋肉と筋肉の流れを繋げていく基礎が足首にある距骨(足首の真ん中あたり、足と脚の繋ぎ目)。そこを意識してストレッチすることで足から頭まで力が伝わりやすくなります。

距骨の位置はここです
前田:フィッティングが合っていれば全然問題ないです。僕は大会当日におろすこともあります。合わないシューズだとサボる筋肉が出てくるし、もともと動いてない筋肉があるならもっと動かない。本来の裸足力を含めて、それを阻害しないシューズ選びが大事です。
前田:フィッティング・矯正具のポイントは3つあります。矯正具を使う場合は筋肉の順応もすごく影響が出てくるので、自分の一番ベストポジションの足型をとって、その形に癖付ける。そうするとスイッチがONになり続けるので、全体の筋肉の流れも良くなります。矯正具も使いながら筋肉をさぼらせないのがすごく大事です。
①ラスト(靴型)
靴型と足型がどこまで近いものが選べるかというのが大事。足指の圧迫や靴幅がきつい、ゆるい等があると足まわりの筋肉スイッチがOFFになります。紐靴だから全部フィットするというものではない。②アウトソール
本来の機能性のポイントとなるのがアウトソールのクッションや反発性。カーボンプレートなど組み合わせながら本来の機能性を発揮できる、走力・体重に合わせたアウトソール選び。③インソール
骨格に崩れが見られる場合、自分の意識での矯正は難しい。矯正具を上手に使うことで足首のバランスをニュートラルにし、足から始まる筋肉スイッチを少しでも簡単に入れることでそれが全身の動きに繋がる。トレーニング効果のアップも期待できる。

前田さんのいる楽歩堂では個人個人に合ったフィッティングや矯正具の作成が可能とのこと。また、カウンセリング(足の計測と分析)なども行っているそうですので、足の悩み・シューズの悩みをお持ちの方はぜひ本番までにお店に行って相談してみてくださいね。
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こんにちわ。
ココカラコミュニケーションズの陣内です。
8月も終わりに近づき、徐々に過ごしやすい気候になってきましたが、みなさんいかがお過ごしですか?
いやーそれにしても今年の夏は暑かったですね(^_^;)
この暑い時期に地道に歩いたり走ったりされていた方たちは、よく頑張られましたね。これまでの地道な練習の積み重ねで走れる体に変わってきたことで、これから涼しくなればなるほど体がどんどん軽く感じるようになり、軽快に走れるようになることを実感されるのではないかと思います。
また、「暑くて練習どころじゃなかった…」という方も、過去を振り返っても結果は変わりません(^_^;)
本番まで70日以上ありますので、まだ間に合います。そのためにも、とにかく少しでも多く体を動かして「長時間動ける体力をつけること」。そして、今回からお伝えする「マラソンを完走するために必要な要素」を考慮して練習を始めていただければと思います。
初めてフルマラソン挑戦される方にとっては、いろんなことが初めての体験なので、シューズやウェアはもちろん、練習方法や取り組み方など気になることがたくさんあるかと思いますが、これまでのコラムでご紹介したとおり、少しずつ自分の足で歩く時間を増やすことができたら、今度はいよいよ「初マラソンを完走するための体づくり」が必要になってきます。
ということで、今回から回数を分けて、フルマラソンを完走するために必要となる要素についてお伝えしたいと思います。
前回のコラム「練習をしていて膝や足首が痛くなったらどうしたらいい?」でもお伝えしたように、歩いている時とは異なり、走っている時は、自分の体重と着地する時の衝撃を合わせると、実に「体重の3倍の負荷(衝撃)」がかかります。
ところが、あることができていれば負荷は「3倍」で済みますが、あることができていないと、負荷は3倍どころか「5倍」にも「10倍」にもなると言われています。そうすると、みんなと同じ距離(42.195km)を走っているにも関わらず、1歩1歩にかかる負荷が異なるために、疲れが増すのはもちろん、それが次第に痛みに変わり、ゴールまで完走するのがとても大変なことになってきます。この差はどこで生じるのでしょう…?
それは「フォーム(姿勢)」の差です。

最近では、初心者ランナー向けに衝撃を吸収するような優れた機能を持つシューズも発売されていますが、5〜10kmくらいはカバーできても、ゴールまでの42.195kmを完全にサポートしてくれる訳ではありません。効果はあくまでも「ないよりはあった方がいい」くらいです。つまり、根本的にこの「フォーム(姿勢)」ができていないと、無駄に体を重くしてしまったり、人一倍疲れを感じてしまったり、レースの途中で膝や足首を痛めてしまい、ゴールが遠く感じてしまうことにもなりかねません。
水泳をイメージしていただくと分かりやすいかと思いますが、泳ぎが苦手な方は、一生懸命バタバタ泳いでもなかなか進まないのに、泳ぎが上手な方は、力むことなくスーっとスムーズに進んでいきますよね?そして、泳ぎが上手な方や水泳のコーチに泳ぎ方を教えてもらうと、それまでと比べてずいぶん楽に泳げるようになった経験がある方もいらっしゃるかと思います。つまり、泳ぎ方にコツがあるように、走り方にもコツがあるんです。
ところが、水泳のコーチはジムに行けばたくさんいるのに、走り方を教えてくれるコーチはほとんどいないんです(>_<)なおかつ、私たちが知っている走り方といえば、小学生の頃に教わった「腕を振って」「太腿(ふともも)を上げて」の2つくらい(笑)これは、小学生の頃のように筋肉が多く、体が軽い時の短距離走には向いていますが、運動不足ですっかり体脂肪も増え、なのに長距離を走る大人の私たちには、残念ながら向きません(^_^;)
かといって、これから走り始めようとする方の場合、「腕の振りはこう…」「着地は足のこの部分から…」「呼吸はこう吸ってこう吐いて…」といくつもあげられても、全部を一度にやるのは難しく、一度にやろうとすると逆に動きがぎくしゃくしてしまうだけ。
では、これから走り始めようとする方が、最も気をつけて取り組んでいただきたい「フォーム(姿勢)」とは、どういったものなのでしょうか?
それは、「背筋がまっすぐ伸びた姿勢」です。具体的には、軽く目をつぶっていただき「頭のてっぺんから、操り人形のように紐が伸びていて、それを真上からピンと引っ張られている」イメージです。
私たちは日常の中で、料理も勉強も運転もパソコンやスマホの操作なども、肩が前に入る姿勢を取ることが多いため、気づかないうちに猫背になりやすい生活を送っているため、自然と背中が丸くなってしまいます。

さらに、私たちは小さい頃からの癖(くせ)で、「走ろう」とすると体をやや前に倒しながら、その重心移動で前に進もうとします。それも短距離ならいいのですが、フルマラソンのような長い距離を、猫背でかつ前に倒れる重心移動で進み続けようとすると、それを脚で支えなければならず、ゴールまで膝や足首がもちません。
ところが、この「背筋をまっすぐ伸ばす」という姿勢は、あなたの「背筋」が上体を引っ張り、「腹筋」が上体を支えることで、その状態を維持します。つまり、走っている間「背筋をまっすぐ伸ばす」という姿勢を保つことができれば、これまで走る際に使えていなかった、上半身の大きな筋肉(体幹)があなたの体を支えてくれて、脚にかかる負荷を軽くしてくれるため、膝や腰や足首に痛みが出る率や度合が圧倒的に低くなります。
ではここで、実際にやってみましょう。
軽く目をつぶって「頭のてっぺんから、操り人形のように紐が伸びていて、それを真上からピンと引っ張られて」みてください。
いかがでしたか?体がひゅーっと上に伸びませんでしたか?「自分は姿勢がいい方だ」と思っていた方でも、意外と背筋が伸びる感じがしたのではないでしょうか?
実際に「背筋をまっすぐ伸ばす」と、これまでの猫背の姿勢と比べると「体が起きる」というため、自然と腕が振れて、しっかり後ろに引けるようになるので、スムーズに脚を前に送り出すことができます。そうすると、自分で意識しなくても、後側の脚でしっかりと地面を蹴ることができるので、力(りき)むことなくしっかり前に進むことができるようになります。って、文字だとなかなか分かりづらいのが残念ですが…(^_^;)
確かに、呼吸や着地など、他にも気になるところがたくさんあるかもしれませんが、それらよりもこの「フォーム」=「背筋がまっすぐ伸びた姿勢」が出来るようになりさえすれば、呼吸や着地の問題は後からでもどうにかなりますし、これから長い距離を走るようになった時の、体にかかる負荷が全く違ってきます。
慣れないうちは「ホントにこんな姿勢で走り続けるの!?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、距離が伸びれば伸びるほど、この姿勢の方が楽に走れることを実感するはずです。

とはいえ、「背筋がまっすぐ伸びた姿勢」が大事だからと言って、学生の頃に教わった「きをつけ」を意識してしまうと体に力が入ってしまうので、その姿勢を長く維持することができません。なので、あくまでも「頭のてっぺんから、操り人形のように紐が伸びていて、それを真上からピンと引っ張られているイメージ」を意識してみてください。このイメージだと、無駄な力が入ることなく、体を軽く保つことができ、軽やかに脚を前に運ぶことができますよ。
大会当日まで残り約2ヶ月半。
マラソンの練習をする際には、あなたのこれからの走りがぐんと変わるはずですので、ぜひ「背筋がまっすぐ伸びた姿勢」を意識してみてください!
次回は、フォームの次に大事な、そしてレース中の最初から最後までずっと大切な「ペース」についてお伝えしたいと思います。
お楽しみに(^O^)/
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こんにちわ。
ココカラコミュニケーションズの陣内です。
リオオリンピックが盛り上がっていますが、ご覧になってますか?
開催前は、私の周囲でも反応はイマイチでしたが、柔道や水泳・体操などのメダルの獲得数の上昇に合わせて、関心の度合いも上がってきていますね!
8月14日に開催された女子マラソンでは、勢いに乗ってメダルも期待しましたが、残念ながら今回はメダル獲得とはいきませんでした…
しかしまだメダルが期待されている競技が残っていますので、日本選手のがんばりと世界レベルの技術やテクニックを期待したいと思います!
さて、お盆も過ぎ、これから残暑に向かって徐々に暑さも落ち着いてくるかと思いますが、今回は暑さが落ち着いてからジョギングの練習を始めようと思っている方に、最初に知っておいていただきたい「体に生じる痛み」についてお伝えしたいと思います。
以前のコラム「フルマラソンを完走するためには何から始めたらいい?」でも触れましたが、今回マラソン初挑戦でこれから福岡マラソンの完走に向けて練習しようと思っている方は、まず「長時間動ける体力をつけること」を意識して、これまでより少しずつ『自分の足で歩く時間を増やすこと』が大事です。
しかし、これまで運動らしい運動をしてこなかったのに急に体を動かすと、筋肉痛はもちろん、必ずと言っていいほど膝や腰や足首など、どこかを痛めてしまうことがあります。

これには大きく2つのパターンがあります。
一つ目は、これまでの日常生活で使わなかった筋肉や関節に、急に負荷をかけたことにたいして体がびっくりしているということ。特に筋肉痛がそれにあたります。
頭の中には、学生時代の頃の体や反射神経のイメージが残っていますが、それから何年も(十数年も!?)体を動かしていないと、イメージとは正反対に体はどんどん動かなく、弱くなってしまっています。
そんな状態の中で、長い時間歩いたり走ったりして体に急に負荷をかけると、あなたの体が「聞いてないよ〜」とびっくりして、「痛み」として意思表示をするんですね。
それが筋肉痛であれば、運動後にしっかりストレッチをして、2〜3日休息をとれば時間とともに収まりますし、その痛みが収まる過程で、運動するのに必要な体を支えるための筋肉が作り始められるので、無理せずゆっくり回復を待ってください。
ちなみに、「筋肉が作り始められる」と言っても、ゆっくり走ったり歩くことで鍛えられる筋線維は、「遅筋」という「長い時間、力を維持する筋肉」で、「あなたの体を支える筋肉」なので、すぐに見た目が大きく変わることはありません。
なので「筋肉ムキムキになりたくないし〜」なんて心配する必要はありません(笑)
そして、二つ目のパターンは「一定の部位に負荷がかかり過ぎて、体が警鐘を鳴らしている」ということ。
こちらの場合は、一つ目と比べるとやや注意が必要です。
歩いているときは、両足が地面についているので、あなたの体重を足や腰などに分散しながら支えています。ところが、いざ走り始めると、両足が地面から浮き、どちらか片方の足で着地をしなければなりません。
その時には、自分の体重と着地する時の衝撃を合わせると、実に「体重の3倍の負荷(衝撃)」がかかると言われています。
つまり、体重が50キロの人なら、片足にかかる負荷は1歩で150キロ。体重が60キロの人なら、負荷は1歩で180キロ。体重が70キロの人は、実に1歩で200キロを超える負荷がかかっていることになります。
しかも、この負荷は、うまく体幹を使えている(着地を含めたフォームがしっかりしている)場合で「3倍」ですが、うまく体幹が使えておらず、脚だけで走ってしまっている場合は、その負荷は5倍にも10倍にもなると言われています。
この負荷が、走る度に片足ずつかかると、その衝撃は足の裏、かかと、足首、膝、脚の付け根などへ伝わるわけですから、体重が重く、普段から運動らしい運動をしていない人は、どこかが痛くならない方がおかしいくらい(>_<)
もちろん、衝撃を抑えるような初心者向けのサポートタイツやランニングシューズもありますが、そもそも脚や体が、ある程度の衝撃に耐えられるようになっていなければ、いくら高性能なシューズを購入して走ったとしてもフルマラソンの長い距離や時間を乗り越えることができません(T_T)
じゃあ「体重が重い人はマラソンができないの?」「そんなに体に負荷をかけるのであればやらない方がいいんじゃない?」と思われるかもしれませんが…その心配はいりません。
人の体は本当によくできていて、時間をかけて徐々に体を慣らしていけば、必ず負荷に耐えられるような(体重が落ちたり、体を支える筋肉が増えたりする)体に変わっていきます。

初心者の方を指導していると、よく「ジョギングをはじめて膝が痛くなったんですが…」と相談を受けます。
これは、「ランナーズニー(膝)」とも言われ、普段から運動らしい運動をしていない人が急に始めたジョギングが原因で膝関節周辺に集中的に負荷がかかることにより、靭帯が炎症を起こして痛みを発生させているのですが、私が相談を受けた時は「おめでとう!」と言っています(^_^;)
なぜ痛みが出てるのに「おめでとう」なのかというと…それは、今でこそフルマラソンを何度も走っているような私を含めて、ジョギングを始めた人ならほぼ全員が「必ず通る道」だからです。
つまり、これまでは膝関節周辺にそれほど負荷をかけるような生活をしていなかったこと、そしてこれからその膝関節周辺の靭帯や筋肉を徐々に鍛えていけば解決するということ、の二つが分かったというだけ。
確かに、筋肉痛の場合よりも少し長い休養が必要ですが、痛みが引いたらリハビリがてらまた軽い運動を再開すればいいだけ、です。それでも痛みが再発することもありますが、休養と軽い運動を繰り返していくと、いつの間にか快適に走れるような体に変わっていきます。
もちろん、歩けないほどの痛みが発生した場合は、専門の治療を受ける必要がありますが、ジョギングを始めたばかりの多くの方の痛みは、時間が解決をします。
そのためにも、なるべく早い段階で歩き始めて、快適に走れるような体をつくるための準備が必要です。特に体重が重い方や、これまで運動らしい運動をしていなかった期間が長い方は、「遅筋」つまり「あなたの体を支える筋肉」を増やすようできるだけ歩く時間を増やしてみてください。
それも、決して毎日でなくても大丈夫。まずは、1日に10〜15分、そして週末など少し時間が取れるときには30分〜1時間ほど多く歩きましょう。歩いた「通算時間」が増えると足腰を支えてくれる筋肉がついてきて、体が軽く感じるようになってきます。またそれに比例して、膝や腰や足首に痛みが出る率や度合も低くなります。
1日に10〜15分なら、通勤時や買い物の時など、これまでだったら車やバス・自転車などを利用していたところを徒歩に変えるだけで、普段の生活の中でもこれまでより多く歩くことができます。
確かに、これまで5分で移動できていたところを歩くとなると15分くらいかかってしまうこともあるので、実際なかなか面倒なところでもありますが…でもみなさんは、3ヶ月後にはフルマラソンを走るんですからね(^_^;)
しかも、強制的ではなく、自分の意志でエントリーしたわけですから自業自得です(笑)
というのは冗談ですが、なにか思うところがあって「福岡マラソンを走ってみるか!」とエントリーされた方がほとんどだと思いますので、ぜひ11月13日の大会当日までの残り約90日だけでもがんばってみてください。
あなたの体はその努力にちゃんと応えてくれますよ!
次回は、実際走るときに膝や足首に痛みが出にくくなる、「体幹を使った走り方」についてお伝えしたいと思います。
お楽しみに(^O^)/