福岡マラソン2018まで60日を切りました。
唐突ですが、実は私いま、effectがはじめて福岡マラソンに参加した福岡マラソン2016のことを思い出しています。
私が2回目のフルマラソンにして人生初のサブ4を達成し、悦にひたりながらゴール後の余韻を全身で楽しんでいた時のお話しです。
私は当日大会に参加されていた福岡マラソン2016のアンバサダーであるSonar Pocketのeyeronさんにひとめお目にかかり、ご挨拶をしたいと、ゴール後に声をかけてくれた大会関係者の方に「eyeronさんはどちらですか?」と尋ねたところ、
と。さらに「サブ3でゴールしてたよ。」と。
サブ3とはアスリートから市民ランナーの全てを含んだうえで上位3%しかいないといわれるランナー界の東大生のようなもの。とにかく超すごい人。まさかと言っては大変失礼だけれども、都市マラソンのアンバサダーっていうのはいい感じの大会ソングを歌ってくれて、いい感じで大会を盛り上げてくれる感じの、と言っては失礼だけども、そんな感じの大会の「華」である人なのかなと勝手に思っていましたがために、まさかサブ3なんていうとんでもない記録でゴールしちゃうアンバサダーがいるという事実に、ついさっき手にしたサブ4が色褪せて見え、ついさっきまで「サブ4達成したらランナーとしてはようやったランカーにはいるやろ!」と息巻いていた自分が小さく見え、さらにはそれまで絶対に視野にはいっていなかったサブ3.5がちらほら胸の中で存在を膨らませ始めるのを感じずにはいられませんでした。
みなさまこんにちは、のぼるです。西戸崎のぼるです。
あれから2年、今年開催される福岡マラソン2018には、あの、その、奇跡のアンバサダーSonar Pocketのeyeronさんが就任されたと聞き、もういてもたってもおられずにわたくし、会ってきました。eyeronさんに、会ってきました。
西戸崎のぼる(以下のぼる):effectがはじめて福岡マラソンに関わらせていただいた一昨年の福岡マラソンのアンバサダーをeyeronさんがされていて、会いたい会いたいと思っていたのになかなか会えず、さすがに当日は会ってお話しできるだろうと思ってたんですけど、私が人生初のサブ4でゴールして興奮さながらに「eyeronさんは?」って聞くと「もうとっくにゴールしていないよ」って言われて。なんなら1時間くらい前にゴールしたって聞いて。え?嘘でしょ?って。
eyeronさん(以下敬称略):そう、初めてサブ3した時だもんね。じゃあ今はどれくらいなんですか?
のぼる:そうですねー、あれから2年、残念ながらサブ3.5を残り5分の壁ではじき返されまくってます。
eyeron:あぁー、俺の仲間も多いっすよ。一緒に走ってるランナーたちなんですけど、35分とか33分から先に行けないってランナー結構多いですよね。そこらへんって一つの大きな壁なのかもしれないですね。
のぼる:まさにその壁を超えられず、次回が北海道マラソン(8月26日開催)なんですけど、真夏なんで気温もあるからなんとも言えないですけど、ただそこまでにはサブ3.5の力はつけておきたいと思ってて。
eyeron:俺も道マラ走ったことあるけど、道はずっとまっすぐでフラットだから、あとは気温が上がらないことを願うだけですね。
のぼる:eyeronさんが出場した昨年って結構暑かったんじゃないですか?
eyeron:暑かったです。俺も最後ゴール前でつりそうになってましたもん。多分あれは暑さで。
のぼる:でも2時間43分とかでしたよね?
eyeron:ですです。1キロ3分50秒ペースです。
のぼる:そのペースは私が今インターバルで1km走れるかどうかですよ(トホホ)
eyeron:インターバル、今日もやってましたね。インスタで見ましたよ(笑)でもその練習いいですよ。インターバルは絶対やったほうがいい。スピ練したほうがレースの最後に足を残せるようになるんで。でも怪我には注意しなくちゃいけないですけどね。
のぼる:eyeronさんに言われると確信に変わる気がしますね。ちなみに普段どんな練習されてるんですか?
eyeron:昨日福岡にはいって30km走りました。
えーー!
eyeron:福岡マラソンの前半コース、今宿を超えたあたりのところくらいまで行って帰ってくるってやつで、往復だいたいそうですね30kmくらい。30km走を一人で。昼の2時から。
あっつい!
eyeron:そうそう(笑)でも、俺サブ3初めてやっときは距離をぐっとあげたんですよね。月450(km)にしたから、サブ3いけたっていうのもあって。
すげえ…
eyeron:自己ベストの2時間43分を出した時はもっと、月550(km)くらい走ってましたよ。
のぼる:え、550kmって1日どれくらい走ったらいいもんなんでしょうか。
eyeron:1日17kmくらいですね。
17km…
eyeron:距離を積むのはすごく大事ですね、あと、今みたいに暑い時は1kmのインターバルを3本とか走った次の日とかに、6分半くらいのゆっくりなペースで20kmくらいの距離をつなぐと、長く走れる脚になるし、速く走れる強い脚になりますよ。
のぼる:今ちょうどeffectの編集長の小森改造が「小森チャレンジ」っていって毎日10km走ってるんですけど、それで月300kmとかですもんね。
eyeron:まぁ300(km)でも相当走ってる方だとは思いますよ。
小森改造:僕もベストが3時間35分くらいなんですよ。
eyeron:え、近い!それいいですねー、近いタイムのランナーが近くにいるって。
のぼる:そうなんですよ、小森だけじゃなくて結構周りにアラウンドサブ3.5がたくさんいて。初マラソン一発でサブ3.5いっちゃったすごいランナーもいたりするんですけど、彼が3時間20分代前半くらいで、近いちゃあ近いんですけど。その彼が今サブ3目指して20kmだとか30kmを4分ジャストだか切ったりだかで走ってて。
eyeron:それはすごいっすね!しかもこの時期にその実力があるんだったら、ほぼサブ3いけると思いますよ。ポテンシャル感じますねー。ぜひ一緒に走ってみたい!彼はマジで燃えてますね。20km走で4分10秒とかのペース切れてたらいけると思います。すごいなー、会いたい!
のぼる:私も小森もその彼も、effectが初めて丸2年で、それまではランとは無縁だった人間とかばかりだったんですけど、なんだか最近はほんとに趣味とか超えて若干部活みたいになってます。
eyeron:それすごくいいと思います。俺の知ってる東京の会社も、サッカーやったりランやったりトレランやったりって、もう会社をあげて100人くらいでいつも楽しんでますよ。でもそれが今っぽいっていうか、そうやって仕事以外にスポーツとかで盛り上げて楽しんでいこうみたいな時代の流れは確実にあると思いますね。
のぼる:そうですよね、私も小森もしっかり肥満体型だったんですけど、気づいたら毎日走れるくらいは体が絞れましたし、まぁ小森くんは「あえて」小森改造をまだやってますけども。2年前にはまさかこんなに毎日運動まみれの日々を送るとは思ってませんでしたね。
eyeron:そう、だからマラソンって結構人生変わりますよね。
のぼる:相当変わりましたね。そうそう、『走る福岡』でeyeronさんが「第二の青春」って言ってらっしゃったのを読んで、それすごいわかるわーってなってるのが今っていう感じです。
eyeron:ですよね!だって俺もなんでこんなに走ってるのかよくわかんない時ありますもん(笑)東京で一緒に走ってるメンバーもみんな同世代なんですけど「俺ら絶対学生の時より走ってるじゃん!」って言ってますよ。しかも最近は俺らと同世代の人で、仕事もがっちりやって、がっちり走ってるみたいな人多くないですか?みんなすごい元気だし。
のぼる:なんだかいいですよね、東京オリンピックの影響もあるとは思いますけど、世間の流れが運動することに前向きになってきているというか。
eyeron:そう、なんだか海外みたいなノリになってきてる気がする。ていうか、ランニング人口でいうと日本が世界一になってますからね。
そうなんですね!
eyeron:もともとアメリカが1000万人くらいでトップだったんですけど、日本は今1200万人くらいなんですよ。アスリートはもちろん、プライベートでジョグしてる人たちも含めて。
確かに、マラソン大会とか全然出れないですもん。
eyeron:もうね、俺はマラソン大会はフェスだと思ってます。みんな結構なお金を払って、しかも抽選で一喜一憂して。相当苦しいのに、その対価を払ってでもゴールした時の喜びだったり感動だったりを味わうために集まってるわけですよ。これってほんと代えがきかないと思ってて。
のぼる:確かにそうですね、間違いない。海外とかって完走メダルが当然だったりして、メダルコレクションもモチベートの一つとして大きいとよく聞きますけど、日本の大会って完走メダルのない大会が多くて、しかもそれが人気の大会だったりしますよね。単純に大会を楽しんでる。
eyeron:そう、それってもう大会への愛だよね。それに日本人ってどこかストイックなのかもね。でも俺ね、そういうところもマラソンと日本人の相性のよさだとも思うんですよね。俺結局マラソンのどこが好きかって、地味なのが一番好きなのかもしれない。だってほら、やんないと結果でないじゃないですか。なんだろう、例えば100m走だったらアスリートには勝てないとは思うんだけど、俺、マラソンだったらJリーガーより速い自信ありますもん。
のぼる:それは間違いないでしょうね。
eyeron:そういう、センスによる飛び級がなくて、コツコツやった人間が強いっていうのが自分にあってる気がしてて。これって音楽も同じなんですよ。歌の中で「頑張れ!」ってアーティストが歌ってても、そのアーティストが頑張ってないってなると、それって全然届かなくて、だから俺も毎日10kmだとか20kmだとか走るって自分で目標もってそれを苦しみながら頑張ることで、ちゃんと歌に魂が入るっていう気がするんですよね。いつか全部の言葉が本当の言葉に変わるように、毎日頑張ってる。
のぼる:それすごくわかります。eyeronさんのファンの方って、SNSとかのコメントをみてると、eyeronさんきっかけでランに取り組んでたり、なんだかストイックで純粋な人多いですよね。
eyeron:多いと思います。俺もすごく嬉しいことなんですけど、もうSonar Pocket飛び越えて、自分のことを応援してくれてたりとか、同じようにランの楽しさを体験しようと思ってくれたりとか、そういうのはミュージシャンではなく、いちひとりの人間としての魅力というか、人間力が少しづつついてきたのかなと感じられて嬉しいですよね。
のぼる:私もその一人かもです。福岡マラソン2016でサブ4でゴールしてえらそうにしてたら、まさかの丸1時間も前にゴールされてると。。なんということだと!元オリンピック選手とかならまだしも、ミュージシャンが大会アンバサダーをやって、サブ3でゴールとか聞いたことがない!と思って。これはやべぇ人だと、大会が終わったその日にがっちり胸を掴まれましたもん。
eyeron:いいですね、「やべえ」っていいですね。嬉しいなぁ。
のぼる:その日からすごい会いたかったので、ほんと今日会えて嬉しいです。
eyeron:ついに会えましたね(笑)でもその大会は俺にとってもすごい印象の強い大会で、アンバサダーとして最前列でスタートできるってなって、せっかくだからって号砲と同時にとばして最初の200mくらいまでは俺一位でしたからね(笑)でもほんと、初のサブ3だったし、今だったらもう少し頑張ればいつかはトップ10くらいは狙えるかもとか思ってますよ。
のぼる:いやほんとすごい!芸能人って枠でいうと広すぎると思いますけど、ミュージシャンっていう枠でいくともう敵なしなんじゃないですか?
eyeron:そうですねー、だいぶ強敵を倒してきましたからねー(笑)
のぼる:ちなみにeyeronさんはいつも大会で走ってる時は何を考えているんですか?
eyeron:俺はもう走る前にファンに「何分を切るぞ」って話しをずっとしてるんで、もうほんとかっこ悪いことできないから死ぬ気でやってますよ。その二年前のサブ3をやった時も、ラジオだったりライブだったり、それこそ大会前日のEXPOのステージでも「サブ3やります!」て言って「ワー!」ってなってるから、ほんとひけないっていうか(笑)
それはだいぶきついですね…
eyeron:去年大阪マラソンで2時間43分で走った時も、大会の2週間前までツアー中で、他のメンバーは11/10と11の武道館ツーデイズで気持ち的にはたぶん最後だと思ってたと思うんですけど、俺は大阪マラソンの11/26がツアーのゴールだと思ってやってて。だからツアー中もステージでずっと「俺大阪マラソンで2時間45分を切ります!」って言いまくってたんですよ。
めっちゃストイック…
eyeron:で、結局43分で走りきれたからよかったんですけど、これってほんと言い続けるっていうのもすごい大切なんですよね。まずは自分を信じることが大事で、よく「自分を信じろ」って言うけど、「信」の字って「にんべん」に「言う」って書くんですよ。
のぼる:たしかに!
eyeron:そうそう、人に言うってことが結局自分を信じることに一番つながるんですよ。マラソンはほんとメンタルがすごい大事なんで、最後は自分を信じるしかないじゃないですか。だからできるだけ多くの人に言いまくるって実はすごい理にかなってる気がしてるんです。
のぼる:すごい!でもそれやるのすごい覚悟いりますね。
eyeron:うん、でも俺今「次は2時間35分きっていつか福岡国際マラソンに出る」って言ってる(笑)
!!…福岡国際に出るミュージシャンて聞いたことない!!
eyeron:多分俺の後にもなかなか出ないでしょうね。でも本気で2019年の福岡国際マラソン狙ってるんで、それまでにどこかの大会で35分きって、その姿をファンのみんなに見せたいですね。
のぼる:そういう話しを聞いたらサブ3.5くらいサクッといっておかないけんですねほんと…
eyeron:言い続けたら大丈夫です、いつか絶対いけますよ。
のぼる:僕らも規模は違いますけど、effectの記事だとかSNSとかで目標タイムを言うことがあって、それだけでも大会中は「あー、言っちゃったもんなー」みたいなすんごいプレッシャー感じるんで、eyeronさんのはちょっと計り知れないプレッシャーでしょうね。なんて強いメンタル…
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前編はここまで!
どうですか?思いの外長かったでしょ?それもそのはず、インタビューは1時間を超え、ざっくばらんのランナー談義を気持ちよくさせていただいたものだからおのずとテキストも長くなってしまい…
さて、次回後編では、eyeronさんが印象に残っている福岡マラソンの「あの」コースについてや、初マラソンの反省から今も欠かさずやっているあること、それにフルマラソンを目標タイムでゴールするためのある方法など、まだまだ中身の濃いランナー談義が続きます。どうぞみなさん公開をお楽しみに!
〈PROFILE〉
Sonar Pocket
ko-dai (Vo.)、eyeron(Vo.)、matty(DJ)による3ピースユニット。ロック、ヒップホップ、レゲエなど異なるルーツを持つ3人が紡ぎだす極上のポップミュージックで幅広い世代を魅了。特に等身大でリアルなラブソングは、若者を中心に絶大な支持を誇る。
2008年のメジャーデビューより今年で10周年を迎える。10月10日には実に2年半ぶりとなるオリジナルアルバム「flower」のリリースやキャリア史上最長の全国ロングツアー【Sonar Pocket 10th Anniversary Tour flower】の開催も決定している。
http://www.sonapoke.jp/
eyeron
ボーカル / 誕生日:11月3日 / 血液型:AB型
飾らず真っ直ぐなリリックと、魂のこもった熱い歌声で多くのリスナーの心を鷲掴みにしている。彼の言葉は不思議なほど自然と心に染みてくる。2017年に行われた大阪マラソンではアーティスト史上最速となる2時間43分を記録した。
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