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COLUMN

正真正銘のサポートランナー // 〈TEAM 道下〉樋口 敬洋さん

UPDATE2018.11.02
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effect編集部

みなさんこんにちは!effect編集部です。
いよいよ福岡マラソンも間近に迫り、気持ちも高まってくる時期。皆様はいかがお過ごしでしょうか?この時期は本番に向けて、風邪や怪我に注意して【調整】するタイミング。とはいえ調整の仕方は皆さん様々だと思います。福岡マラソンの出場者には12,000人のマラソン、2,000人のファンラン、20人の車いす競技者が出場するのですが、声援を贈ったり、伴走者としてサポートしてくれる方の存在も沢山います。

今回はランナーをサポートをする【サポートランナー】に注目し、伴走経験を持たれる樋口敬洋さんにお話を伺うことができました!樋口さんは福岡マラソン2018のゲストランナーである道下美里選手のチーム(TEAM道下)で伴走ランナーとして数々の大会に出場し、選手を支えてこられた正真正銘のサポートランナーなんです!

樋口 敬洋(ひぐち たかひろ)さん 『樋口歯科医院』 歯科医師
福岡市出身。パーソナルベストは2時間58分。32歳でマラソンをスタートし、数々の大会に出場。35歳のときに1歳年下の視覚障害マラソン選手・道下美里さんと出会い、伴走を始める。

“きっかけは思い出づくり”で始まったマラソン人生

11年前の2007年、当時東京で働いていた頃に、樋口さんは翌年の2008年には福岡へ戻ることを決きめていたそう。「思い出づくりに軽い気持ちで」第2回東京マラソンにエントリー。幸運にも当選し、全くの初心者で数カ月練習の末に大会に出場!
「途中止まったりもして、凄くきつかったけれど、沿道の100万人の大声援を受けて、とても楽しかった」。
学生の頃は、陸上部(短距離)とラグビーをされていた樋口さん。長距離は苦手意識があったが、一度マラソンを走ったことに感動され、福岡に帰ってきても走ることを続けていきます。

早朝に大濠公園を走り始めると、若者からシニアまで声をかけてもらう機会も増え、ランニングチームにも顔を出すようになっていくことで、ランナーの輪がどんどん広がっていったそう。はじめは10kmも走れない状態から、どんどん走れるようになっていく自分が楽しくてしょうがなかったこともあり、夢中に。「みんなと交流し、走った後のビールは最高でした」と当時のことを語っていただきました。

樋口さんは毎週の練習メニューが決まっており、火曜日と金曜日は山下慎治選手(日本代表)の伴走としてキロ4分30分のJOGをささえている。水曜日はランニング仲間と集まり、1000m×5本や800m×10本などのスピード系のインターバルを実施。日曜日は20~30km走を行い、その他の日は空いた時間にJOGといった練習方法。

今年の福岡マラソンには落選したものの、来年開催される東京マラソンには当選したそうで、自己ベスト更新のために日々練習を行っていくそうです!

案内してあげたい気持ちから広がった絆

道下選手と出会ったのは2011年。大濠公園のJOGで何度か顔を合わせていた際に、「いつか一緒に走れるといいね」などと冗談ぽく言い合っていたことがきっかけ。「当時、僕と同じくらいの記録を持っていて、すごいと思いました」。道下さんが「山口100萩の往還マラニック」の70㎞に出たいのに、山越えなんて危ないなどと周囲に反対されていたようで、伴走者も見つからないと知った樋口さんは、その大会に出たことがあり記録ももっていたことから「僕が案内できますよ」と申し出たそうです。

当時、伴走の知識も経験もゼロだった樋口さんは、大濠公園ブラインドランナーズクラブ(略称:OBRC)というチームの方々に色々と教えてもらうことになるのですが、まず行ったことは、本人が目隠しをして伴走されるといった内容。それによって何が不安なのか、どういう声かけをすればよいのか。ランナー目線に立つことで今まで分からなかったことも見えてくるようになるそうです。

皆さんも想像するとわかると思いますが、目が見えない状態で、山道を含む70㎞を走るなんてできますか?道下さんには伴走者の声、ふたりで握るロープだけが頼りなんです。
伴走者は走りながら「30m先右に曲がる」「いちにのさん、降りる」などシンプルな言葉をかけていきます。転倒する恐れが常にあり、サポート側には並々ならぬ集中力が必要とされます。「週末に合同で走りながら、どんな声かけがいいのか意見を出し合しあえる仲を築きながら、試行錯誤を繰り返すこと。その中でよかった経験を積み重ねました」。
本番前には事前にコースを走り、どんな危険があるのかを事前に把握される徹底っぷり。そうして臨んだ本番では、1度も転倒せず好成績でゴールイン。「最高に楽しかった」と語っていただきました。

2012年萩往還のゴール場面

一緒に走ることで喜びは何倍にもなる

伴走者としてのルールも沢山あります。例えばロープの長さだったり、少しでも前に出てしまうと失格になります。さらには励ましになる言葉をかけるのもルール違反。伴走者はランナーのガイドという立場上のもとらしいが、かなり厳しい世界。それでも樋口さんは伴走者として喜びを感じるそうです。

「彼女が見えない分は僕がガイドして、気持ちの面は彼女が引っ張ってくれる。僕は彼女ほどの努力家に会ったことがないし、本当に尊敬しています」

ロンドンマラソンで伴走した際の記念品

伴走で走った際に着用したもの

TEAN道下のユニフォーム

「なんでも環境のせいにしてはいけないと積極的になりました。伴走ってボランティアとか社会貢献じゃなくて、僕が本当に楽しいからやっているだけなんです」。そして、「伴走者がいないと走れないランナーの方は沢山います。心から楽しいとおもってくれるような伴走者も増えてほしい」と言っていただきました。

マラソンには沢山のランナーが各々掲げた目標や物語があります。走ることはひとりじゃなく、みんなの声援や絆によってゴールに向かっていけるものだと私達effect編集部は感じています。それが本来あるべきランニングの楽しみ方だとも思います。

さあ、いよいよ始まる福岡マラソン2018、皆さんにはどんな物語が待っているのでしょうか??本当に楽しみですね!!

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